バックテストという言葉は、便利すぎる。便利すぎるからこそ、危ない。過去データに売買ルールを当てはめて、「もしこのルールで投資していたらどうなったか」を調べる。それがバックテストです。しかし、バックテストは利益を自慢するためのものではありません。本当に見るべきなのは、利益ではなく、負け方です。
AI株価予想を見るとき、多くの人は最初に「どの銘柄が上がるのか」を見ます。気持ちはわかります。投資で知りたいのは、結局そこだからです。しかし、予想銘柄だけを見ても、そのAIが使えるかどうかはわかりません。問題は、その予想を同じルールで何度も使ったときに、資産がどう動いたのかです。
autobullbear のバックテストは、Kronos、Chronos-Bolt、コンセンサスなどのAI予測を、実際の価格データに照らして検証するための仕組みです。10日後の株価予想、値上がり予想銘柄、想定累積損益、市場平均との比較を通じて、AI予想を信じるのではなく、疑いながら使えるようにしています。
バックテストは「過去に投資していたら」を調べるもの
バックテストとは、過去の時点に戻ったつもりで、あらかじめ決めた売買ルールを機械的に適用し、その結果を検証することです。たとえば、青信号の日に予測上昇率が一定以上の銘柄を買う。10営業日後に売る。黄信号や赤信号では売る。こうしたルールを決め、過去の日付に対して同じように実行します。
ここで重要なのは、「後から都合よく変えない」ことです。上がった銘柄だけを後から拾えば、どんな戦略でも優秀に見えます。暴落した日を都合よく除けば、どんなモデルでも安全に見えます。しかし、それは検証ではありません。バックテストは、都合の悪い日も含めて見るから意味があります。
利益より先に最大下落を見る
バックテスト結果を見ると、多くの人は最初に累積損益を見ます。いくら儲かったのか。何パーセント増えたのか。それは確かに大事です。しかし、もっと大事なのは、その利益にたどり着くまでにどれだけ下落したかです。
最終的に利益が出ていても、途中で資産が半分近くまで落ち込む戦略を普通の人が続けられるでしょうか。たぶん無理です。数字の上では勝っていても、現実の投資家は途中で耐えられずに降りてしまう。だから、バックテストでは最大下落を見る必要があります。
最大下落は、その戦略が一番苦しかった瞬間を教えてくれます。AI株価予想を見るときは、勝っているときの顔だけでなく、負けているときの顔を見るべきです。
市場平均に勝っているかを見る
株式市場が大きく上がっている時期に利益が出るのは、珍しいことではありません。米国株全体が上がっているときに米国株AI戦略が利益を出す。日本株全体が上がっているときに日本株AI戦略が利益を出す。それだけでは、AI予想が優秀だったとは言えません。
大事なのは、市場平均と比べることです。米国株ならS&P500、日本株なら日経平均と比較します。AI戦略のリターンから市場平均のリターンを引いた差がαです。αがプラスなら、市場平均を上回っています。αがマイナスなら、利益が出ていても市場平均には負けている可能性があります。
つまり、バックテストは「儲かったか」を見るだけでは足りません。「市場平均を買っていた場合より良かったのか」を見る必要があります。
勝率だけを見ると失敗する
バックテストで勝率だけを見るのも危険です。勝率80%の戦略でも、残り20%の負けが大きすぎれば資産は減ります。逆に、勝率が低くても、勝つときに大きく勝ち、負けるときに小さく負けるなら、全体では良い戦略になります。
投資はテストの点数ではありません。100回中何回当たったかだけではなく、当たったときにいくら増え、外れたときにいくら減ったのかを見なければいけません。バックテストでは、勝率、平均損益、最大下落、累積損益、市場平均との差をまとめて見る必要があります。
バックテストで見るべき項目
- 想定累積損益: 同じルールを続けた場合の損益推移。
- 最大下落: 途中でどれだけ資産が落ち込んだか。
- 市場比較: S&P500や日経平均と比べて優位だったか。
- α: 市場平均をどれだけ上回ったか、または下回ったか。
- 保有件数: どれだけポジションを持つルールだったか。
- 資金拘束: どれだけ資金を使う戦略だったか。
- モデル差: Kronos、Chronos-Bolt、コンセンサスで傾向が一致するか。
バックテストは未来を保証しない
ここは重要です。バックテストが良いからといって、未来の利益が保証されるわけではありません。過去に通用したルールが、将来も通用するとは限りません。相場環境は変わります。金利、為替、政策、決算、地政学リスク、流動性、ニュース、投資家心理は常に変化します。
だから、バックテストは予言ではありません。健康診断に近いものです。健康診断を受けたからといって、明日病気にならないとは限らない。しかし、受けないよりは、今の状態を知ることができます。バックテストも同じです。未来を当てるものではなく、過去にどう危なかったかを知るものです。
AI株価予想ではバックテストが特に重要になる
AIはもっともらしい答えを出します。数字も出します。予測価格も出します。だからこそ、人間は信じたくなります。しかし、AIが出した数字が立派に見えることと、投資戦略として使えることは別問題です。
AI株価予想で重要なのは、予測そのものではありません。その予測を売買ルールにしたとき、過去にどんな結果になったかです。予測がどれだけ美しくても、バックテストで市場平均に負け、最大下落が大きすぎるなら、慎重に見るべきです。
autobullbearでのバックテストの見方
autobullbear では、米国株、日本株、各市場について、AI予測と想定累積損益を確認できます。米国株ではS&P500、日本株では日経平均との比較を重視します。単に利益が出たかどうかではなく、同じ期間に市場平均を上回ったか、どの程度リスクを取ったかを見ます。
まず予測銘柄を見る。次に想定累積損益を見る。さらに最大下落を見る。最後に市場平均との比較を見る。この順番で見ると、AI予想を過信しにくくなります。
バックテストを見る人が最後に確認すべきこと
その戦略は、いつ勝ったのか。いつ負けたのか。どれだけ下がったのか。市場平均に勝ったのか。資金をどれだけ使ったのか。モデル同士の結果は一致しているのか。このあたりを見れば、バックテストは単なる数字の羅列ではなくなります。
バックテストは、投資家を勇気づけるための資料ではありません。むしろ、無謀な投資を止めるための資料です。儲かる夢を見るためではなく、負けたときの現実を見るためにあります。そこまで見て初めて、AI株価予想は使える道具になります。
